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関節軟骨再建のための機械的生体活性ナノファイバーと軟骨形成キューを統合した階層的に強化された注入可能なキトサンベースのハイドロゲル

出典:
Int J Biol Macromol. 2026 Jan 6;340(Pt 1):150133
DOI:
10.1016/j.ijbiomac.2026.150133
キーワード:
関節, 物性情報
要旨:
関節軟骨欠損は整形外科領域において依然として解決が難しい臨床課題である。
関節軟骨は滑膜関節における荷重支持組織であり、主にⅡ型コラーゲン(type II collagen)とアグリカン(aggrecan)から成る階層的に組織化された細胞外マトリックス(extracellular matrix:ECM)を特徴とするが、血管や神経を欠き、細胞密度も低いことから、自己修復能が著しく制限されている。
このような欠損が未治療のまま放置された場合、外傷後変形性関節症へと進行することが多い。
骨軟骨再生を目的とした組織工学的手法は近年大きく進展しているものの、関節軟骨が有する階層的構造の再現性や、関節内で要求される高い力学特性を同時に満たすことは、依然として大きな課題である。
こうした背景のもと、筆者らは、チオール化キトサンを基材とし、2%のシルクフィブロインナノファイバーとグルコサミンを組み込むことで、体内でゲル化可能な注入型ナノコンポジットハイドロゲルを開発したと報告している。
本ハイドロゲルは、未修飾のキトサンハイドロゲルと比較して圧縮強度が100.3%増加したほか、生物学的活性の面でも、細胞増殖が26.2%向上し、細胞遊走能が150%改善し、さらに軟骨分化の指標が増強されたことが示された。
ラット骨軟骨欠損モデルを用いた検討では、本ハイドロゲルの適用により、周囲組織との連続的な統合、関節表面の修復が促進され、軟骨特異的マーカーであるⅡ型コラーゲン(COL-II)およびSOX-9の発現が有意に上昇したと筆者らは述べている。
これらの結果から、関節軟骨修復において長年課題とされてきた「力学的安定性」と「生物活性」のトレードオフを克服する可能性を有するアプローチであることが示唆されたと報告されている。